ブータンとはどんな国?
ブータン王国は、ヒマラヤ山脈の東端に位置する
世界で唯一のチベット仏教を国教とする国になります。
2011年、日本との外交関係樹立25周年を期に、
第5代国王夫妻が来日したことにより注目が集まり、
「ブータンってどこ?」と多くの人が調べたはず!
日本国内で一気に知名度が上がりましたよね!
ブータンはなんといっても、
第3代国王が提唱した、国民幸福度指数”GNH”(Gross National Happiness)が高いことで知られています。
世界的に国民総生産”GNP”で測られる経済的成長よりも、
国民の幸福度を上げることを重視している国なんです。『幸せの国ブータン』と呼ばれる訳がここにあります。
決して経済的に豊かではありませんが、
ブータン国民の考え方の背景にチベット仏教の教えが大きく影響していて、
「家族揃ってご飯を食べられる」
”これ以上幸せなことはない。”
「自分が幸せなら他の人の幸せを願うのは当たり前」という考え方があるのです。
『幸せとは何か?』
尽きない欲求が当たり前になっていくこの世の中で、
本当に大切にしなければいけない幸せの原点が
ブータンという国を見て感じられた気がします。
ツェチュとは
8世紀頃にチベット仏教をヒマラヤ一帯に布教した、ニンマ派祖師グル・リンポツェという方がいます。
ブータンでは彼を釈迦に次いで、第二の仏として拝められています。
偶然にも彼が生まれた十日の日に、
各月(太陰暦での)十日目(ツェチュ)に、
その月に当たる出来事の法要を行っていたので
「月の十日目のツェチュ祭が行われているところに必ず戻ってくる」という言葉を残したと言われている様です。
その彼が戻ってくると言ったツェチュとは
マスクを被って踊りを踊る宗教的仮面舞踊祭のことを言い、これらは主に各地域のゾン(僧院)で行われます。
毎月ブータン国内のどこかで行われるなんて、旅のルートに入れやすいですね!笑
このツェチュでは、
チベット仏教の中での生涯の出来事
(死んでからあの世への遣いが現れ、閻魔大王から判別されるまで)を
マスクをかぶって踊りで表現しています。
そしてなんと!
このダンスや余興の踊り手は、僧によるものなのです!
ラオスで出会ったお坊さんたちからは、
歌も歌ってはいけないという仏教の決まりを聞いていたので、踊っているのが僧侶と聞いて驚きました!
仮面を被らずに踊る僧侶たちの舞は、
全て背景に物語があり、人の生涯の出来事を称えるといった内容になります。
このツェチュで使われる仮面は、
基本的にゾンの外へは出さない為、
この日だけ公開される特別な仮面なのです。
なので、各地域のツェチュによって公開される仮面がもちろん違います!
この年に一度行われるツェチュには
御利益を受け、家族がこれからの一年無病息災で過ごせる、
また来年のツェチュも心身健康で迎えられるようにとお祈りする意味があり、
地元の人々にとってはとても特別で楽しみにしているお祭りなのです。
ツェチュの踊り”チャム”
チベット仏教の教えを人々にわかりやすく伝えることを目的とした舞踊で、
数ある舞の振りは細かく定められるほど書物や経典に記されている様です。
裸足のままジャンプしたり、力強くて躍動感溢れる動きの踊りが見どころです!
道化役”アツァラ”
コミカルな動きで人々を笑わせるアツァラ。
祭りの場を一層に盛り上げて見物客を楽しませたり、衣装や仮面が乱れた踊り手をフォローしたり、
みんなが怪我なくお祭りを楽しめるようにと
列を正させる役を担っています。
踊りの先生とも言われていたので、OBのようですね!
とはいえ自由すぎる行動についつい目が奪われます。笑
2018年のツェチュ開催予定表
2018年 2月25〜27日 プナカ・ツェチュ 3月24〜26日 ガサ・ツェチュ 3月24〜26日 シェムガン・ツェチュ 3月27〜31日 パロ・ツェチュ 4月25〜27日 ドムカ・ツェチュ 6月21〜23日 ニマルン・ツェチュ 6月23日 クジェ・ツェチュ 9月17〜19日 ワンデュ・ツェチュ 9月19〜21日 ティンプー・ツェチュ 9月23〜24日 ガンテ・ツェチュ 10月17〜19日 チュカ・ツェチュ 10月17〜19日 ジャカル・ツェチュ 10月31日 デチェンプ・ツェチュ 11月15〜18日 モンガル・ツェチュ 11月17〜19日 タシガン・ツェチュ 11月23〜25日 ペマガツェル・ツェチュ 11月23〜25日 ナラカ・ツェチュ 12月13日 ドゥルック・ワンゲル・ツェチュ 12月15〜17日 トンサ・ツェチュ 12月15〜17日 ルンチェ・ツェチュ |
手付かずの自然に、人々の心。
幸せの原点を感じにぜひブータンへ